事例紹介

財務デューデリジェンス

会社概要

業種:不動産開発・分譲業、不動産賃貸業
売上規模:53億円(2社合算)
従業員数:70名

事例概要

MBOにおける株価算定、金融機関融資のため、財務デューデリジェンスを行うこととなった。

財務デューデリジェンスの目的

MBOにおける財務デューデリジェンス
オーナーである社長が、役員への承継を検討していた。メインである地域金融機関の提案により、ファンドからのエクイティ出資(優先株式)および役員への融資により、オーナーの株式の買取を行うスキームであった。
株価算定および融資判断を目的として、会社の実態を明らかにするため、財務デューデリジェンスの依頼があり実施した。

当社の業務内容

合意した手続による手続の実施
タイトなスケジュールであったことから、依頼者である地域金融機関およびファンドと合意した手続について実施した。
業務プロセスの課題の抽出
原価計算において、原価付替えが一部発生していた。影響は大きくないものの、業務プロセスに不正の温床となる事項が存在していることを指摘した。
タイトなスケジュール
依頼を受けてから中間報告まで2週間程度の期間であった。対象会社の協力もあり、目的は期限内に達成された。

効果

ファンドは株主、地域金融機関は債権者として、対象会社を管理していくこととなるが、依頼者は、財務デューデリジェンスの主目的である株価算定目的のみならず、対象会社の実態を把握し、改善点を含めた情報の入手が可能となった。

財務デューデリジェンス(粉飾決算企業)

会社概要

業種:飲食業
売上規模:20億円
従業員数:70名

事例概要

会社は長期間にわたり粉飾決算を継続していたが、資金繰りに行き詰まりメイン金融機関に事実を報告。
金融機関の要請で実態を把握するため、財務デューデリジェンスを行うこととなった。

財務デューデリジェンスの目的

粉飾決算の経緯解明と実態把握
オーナーである社長は事業規模の拡大を最優先とする経営方針で、かなり早いペースで出店を行ってきたが、出店資金を全て借入金で調達。
管理が行き届かず赤字となる店舗も発生する中、全社的にも実質的には赤字となったが、借入金調達のため粉飾決算を長期間にわたり継続してきた。
最終的には資金繰りに行き詰まり、メイン金融機関に粉飾を告白、メイン金融機関からの要請で当社が財務デューデリジェンスを実施した。

当社の業務内容

限られた時間での予備調査実施
資金繰りは逼迫しており時間的な猶予が無かったことから、予備調査を実施し大まかな実態を把握、金融機関への報告を行った。
詳細な調査
数か月の資金繰りについては問題がないことを確認の上、詳細な調査を実施し、基準日時点の実質的な債務超過額及び現状の正常収益力を算定した。
短期的な損益・資金繰り改善スキームの作成
当面の資金繰り維持のため、短期的観点でコストカットを中心とする損益及び資金繰りの改善スキームを会社と作成し実行した。

効果

債務超過額は想定よりも大きかったため、自力再生は困難と判断、スポンサーへの事業譲渡を実施し事業の継続と従業員の雇用確保を図った。
金融機関もスポンサーからの事業譲渡代金で一定の弁済を受け、破産した場合よりも多くの回収を図ることができた。

不正調査(財務調査)

会社概要

業種:通信機器等の製造・販売
売上規模:62億円
従業員数:86名

事例概要

対象会社の財務内容に不信を抱いた金融機関が財務内容の調査を求めた。
対象会社は円滑な金融取引を行うために財務調査を行うこととなった。

調査の目的

対象会社の財務内容を調査
対象会社は年々売掛金が増加するとともに、金融機関からの借入金も比例して増加していた。
これに不信を抱いたメイン金融機関が対象会社に対し第三者(公認会計士)による財務内容の調査を依頼するよう求めた。
対象会社は取引金融機関との円滑な金融取引を行うにあたり、参考情報を提供することを目的として財務調査を行うこととなった。

当社の業務内容

直近期財政状態の検討
架空の売上債権が16億円発見された。この結果、実態純資産は13億円となった。
過年度損益・キャッシュ・フローの状況の検討
過去3期間において利益は計上しているものの、売上債権の増加等により営業キャッシュ・フローは3期連続でマイナス(3期間合計で12億円のマイナス)となっていることが判明した。この資金不足を補うため金融機関からの借入金が増加(3期間合計で14億円)していた。
問題点の把握
対象会社は関連会社の資金不足(金融機関からの借入不能)を補うため、自己が金融機関からの資金調達としての役割を担っていた。自己が金融機関から調達した資金を関連会社の借入金返済へ回していた。

効果

過去の不正経理が判明したが、取引金融機関に対し実態純資産を明らかにしたうえで、引き続き金融取引が継続されている。

財務デューデリジェンス

会社概要

業種:飲食業
売上規模:2億円
従業員数(アルバイト含む):20名

事例概要

ファンドの投資実行にあたり、財務デューデリジェンスを行った。

財務デューデリジェンスの目的

ファンドの投資実行における財務デューデリジェンス
オーナーである社長が、事業承継の一環として株式の譲渡を検討しており、譲渡候補先としてファンドを選択された。譲受候補先であるファンドからの依頼に基づき、投資実行前の財務デューデリジェンスを行うこととなった。
複数店舗を保有していたが、店舗別の損益管理がなされていなかったため、一般的な財務デューデリジェンスの手続に加え、店舗別損益と正常EBITDAの算出が依頼事項となっていた。

当社の業務内容

店舗別損益の算出
一定の基準をもとに全体で発生していたコストを店舗別に按分することにより店舗別損益を算出した。
タイトなスケジュール
依頼を受けてから中間報告まで2週間程度の期間であった。対象会社の協力もあり、目的は期限内に達成された。

効果

ファンドは株主として、対象会社を管理していくこととなるが、依頼者は、財務デューデリジェンスの主目的である株価算定目的のみならず、PMIにおける店舗別損益管理、月次決算のスムーズな導入が可能となった。

棚卸資産の残高検証、資金繰り検証

会社概要

業種:小売業
売上規模:4億円
従業員数:10名

事例概要

粉飾決算が明らかになり、取引金融機関からの要請に応じ、棚卸資産の実在性の検証、資金繰りの検証を行うこととなった。

棚卸資産の残高検証、資金繰り検証の目的

粉飾の発覚による実態把握
対象会社の内部統制上の不備から管理担当者の不正(資金流用、粉飾)が発覚した。また当該担当者以外、会社の実態が分かる者がいなかった。
少なくとも棚卸資産が過大になっていることが明らかであり、また今後、取引金融機関として支援していくうえで、棚卸資産の実在性の確認、当面の資金繰りの実態把握が急務であった。

当社の業務内容

棚卸資産の残高検証業務
複数店を保有する小売業であったため、各店舗を訪問し、棚卸リストに基づく棚卸を実施した。
資金繰り検証
作成されていた資金繰り表が実態に合っているかの検証及び基準日時点の預金残高の確認を行った。加えて、資金流出が生じていたため、総勘定元帳から資金流出に係る不正な仕訳を抽出を行った。当該仕訳を通帳と照合し、資金流出額の推定を行った。
レポートの作成及び取引金融機関への説明
上記2つの業務について、取りまとめを行いレポートを作成した。またバンクミーティングにて、取引金融機関への説明を行った。

効果

棚卸資産の実在性、当面の資金繰りの検証が行えたことで、更なる実態解明における時間的猶予について、取引金融機関から理解が得られた。
その後、詳細なデューデリジェンスを実施・報告し、対象会社の体制面を整えたうえで、事業計画の作成を行い、取引金融機関の合意を得た。

財務デューデリジェンス

会社概要

業種:飲料販売
売上規模:70億円
従業員数:220名

事例概要

M&Aにおける対象会社調査のため、財務デューデリジェンスを行うこととなった。
新型コロナウィルス感染症により対象会社の業績は急激に悪化しており、調査結果が債務超過となったため、M&Aはブレイクすることとなった。

財務デューデリジェンスの目的

M&Aにおける財務デューデリジェンス
営業エリア拡大のためM&Aを模索していたクライアントが買収候補先にアプローチし、デューデリジェンスを行うこととなった。

当社の業務内容

財務デューデリジェンス
対象会社2社の直近期を基準日とした純資産の修正及び過去3期間の正常収益力並びにキャッシュ・フローの分析を行った。
また、事業上のリスク、関連当事者との取引、簿外債務の調査などの検討を行った。 さらに、基準日以降直近までの財務状況の変化について把握・分析し、報告を行った。
ディールストラクチャーに係る助言
取引実行にあたって留意すべき取引条件や適切なストラクチャーについて助言を行った。
また、対象会社がグループから離脱した場合に受ける事業上、経営管理上、財務上の影響(スタンド・アローン・イシュー)の助言を行った。
他のデューデリジェンスのマネジメント
法務リスク及び労務リスクを把握するため、法務デューデリジェンス及び労務デューデリジェンスを行うこととなり、それらのマネジメントを行うとともに、相互の情報共有により関係するリスク及び影響を把握した。

効果

新型コロナウィルス感染症の影響により基準日以降の対象会社の業績は急激に悪化しており、調査結果は想定を超える債務超過となったため、M&Aはブレイクすることとなった。
買い手(クライアント)は想定を超える債務超過の対象会社を買収することを避けることができた。

財務デューデリジェンス

会社概要

業種:建築工事業
売上規模:10億円
従業員数:22名

事例概要

M&Aにおける対象会社調査のため、財務デューデリジェンスを行うこととなった。
調査結果は債務超過となったが、買収条件を調整することでM&Aは実行された。

財務デューデリジェンスの目的

M&Aにおける財務デューデリジェンス
シナジーのある関連事業への進出を検討していたクライアントがM&A仲介会社から買収候補先を紹介され、財務デューデリジェンスを行うこととなった。

当社の業務内容

財務デューデリジェンス
対象会社の直近期を基準日とした純資産の修正及び過去3期間の正常収益力並びにキャッシュ・フローの分析を行った。
調査にあたっては、建設業特有の未成工事支出金の実在性及び売上高の期間帰属の妥当性について注意を払った。
また、事業上のリスク、関連当事者との取引、簿外債務の調査などの検討を行った。
重要な修正事項の発見
未成工事支出金について多額の過大計上が発見された。
また、多額の売上高の前倒し計上が発見された。
その結果、修正後の純資産は債務超過となった(帳簿上の純資産は資産超過)。

効果

M&A仲介会社から提示を受けたIM(インフォメーション・メモランダム)には記載のなかった財務上の問題点(資産及び収益の過大計上)が発見され、買収条件の見直しが行われた。
結果としては買収条件を調整することでM&Aは実行された。

財務デューデリジェンス

会社概要

業種:機械製造業
売上規模:9億円
従業員数:36名

事例概要

M&Aにおける対象会社調査のため、財務デューデリジェンスを行うこととなった。
調査結果は想定以上の債務超過となり、当事者間において買収条件調整の合意ができなかったため、M&Aはブレイクすることとなった。

財務デューデリジェンスの目的

M&Aにおける財務デューデリジェンス
経営多角化のため新しい事業への進出を検討していたクライアントがM&A仲介会社から買収候補先を紹介され、財務デューデリジェンスを行うこととなった。

当社の業務内容

財務デューデリジェンス
対象会社の直近期を基準日とした純資産の修正及び過去3期間の正常収益力並びにキャッシュ・フローの分析を行った。
調査にあたっては、海外子会社への投融資における評価の妥当性及び主要取引先との製品保証契約にかかる潜在的債務について注意を払った。
また、事業上のリスク、関連当事者との取引、簿外債務の調査などの検討を行った。
さらに、基準日以降直近までの財務状況の変化について把握・分析し、報告を行った。
重要な修正事項の発見
海外子会社に対する債権及び投資(株式)について資産性に疑義があるものが発見された。
また、主要取引先に対して販売した製品について不具合が生じ、当該取引先から保証を求められている事実が発見された。
その結果、修正後の純資産は想定以上の債務超過となった(帳簿上の純資産も債務超過)。

効果

M&A仲介会社から提示を受けたIM(インフォメーション・メモランダム)には記載のなかった財務上の問題点(海外子会社への投融資の評価及び主要取引先との製品保証契約にかかる潜在的債務)が発見された。
その結果、当事者間において買収条件の見直し交渉が行われたが、最終的に買収条件調整の合意に至らずM&Aはブレイクすることとなった。
買い手(クライアント)は想定を超える債務超過かつ潜在的債務を抱える対象会社を買収することを避けることができた。